Diegetic vs non-diegetic sounds

ハイライト

ダイジェティックサウンドとノンダイジェティックサウンドは、映画制作に欠かせない要素です
これらのサウンドの基本について理解し、その使用目的についてもについても知っておきましょう
この記事内であげた作品や、あなたのお気に入りの作品にも、研究に役立つ多くの例が見つかるはずです

映画製作者は、映像のビジュアルにばかり注目をしがちです。確かに、映像は視覚的な媒体であり、映像が最も重要であることに間違いはありません。しかし、次に重要なのがサウンドデザインです。優れたサウンドデザインと 効果音なしでは、映画は同じようなインパクトを与えることができません。今度お気に入りの映画を観るときにしばらく音をミュートにしてみると、その重要性にすぐに気づくでしょう。

本物で一流の映画製作者を目指すのであれば、サウンドデザインをマスターする必要があり、そのためには、重要な効果音について理解する必要があります。この記事では、ダイジェティックサウンドとノンダイジェティックサウンドについて見ていき、用途、重要性についても解説します。

ダイジェティックサウンドとは?

まず、ダイジェティックサウンドについて見てみましょう。ダイジェティックサウンドとは、サウンドエフェクトを使ってビジュアルストーリーに命を吹き込んでくれる、いわゆる典型的なサウンドデザインのことです。映画の中でキャラクターや被写体がその世界の中で実際に聞くことができる音がすべてダイジェティックサウンドにあたります。たとえば、セリフ、警察のサイレン、通り過ぎる電車の軋む音、野球場で試合を観戦するファンの歓声、歩行音などがあります。これらの音は、画面に映っていなくても問題ありません。

なぜダイジェティックサウンドを使うのか?

ダイジェティックサウンドは、映画や動画に現実感を与え、視聴者が実際にシーンの中にいるような感覚を味わえるため、非常に重要です。お気に入りの映画の音声をしばらくミュートするということを冒頭でお話しをしましたが、ダイジェティックサウンドがなくなると、その世界から切り離され、画面に映し出されている映像から離れてしまうような感覚を受けます。ダイジェティックサウンドは、キャラクターの周囲の世界を築き、視聴者をその世界に引き込みます。

映画におけるダイジェティックサウンドの例

ダイジェティックサウンドはあらゆる映画で見つかります。どんな映画でも最初の1分以内に聞こえてくるでしょう。ここでは、作品を研究するのに適した代表的な例をいくつかご紹介します。

Once Upon a Time in Hollywood「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」 (2019年)

クエンティン・タランティーノの「Once Upon a Time in Hollywood」には、マーゴット・ロビー演じるシャロン・テートがポール・レヴィア&ザ・レイダーズの「グッド・シング」に合わせて踊る有名なシーンがあります。シャロンがこの曲を聞いて、それに合わせて踊っているので、これはダイジェティックサウンドになります。

Jurassic Park 「ジュラシック・パーク」(1993年)

初代「Jurassic Park 」では、T-レックスがパークから脱出するシーンにおいて、ダイジェティックサウンドが重要な役割を果たしています。激しい雨音、雷鳴、恐竜の足音が水しぶきとともに響き渡り、恐竜の咆哮、フェンスの軋む音など、これらの効果音は、シーンを生き生きとさせてくれるダイジェティックサウンドの素晴らしい例です。

Top Gun 2「トップガン・マーヴェリック」 (2022年)

「トップガン・マーヴェリック」(2022年)は、優れたサウンドデザインにより高評価を得ました。この緊迫感あふれるシーンでは、ダイジェティックサウンドがシーンを生き生きとさせる重要な役割を果たしています。さまざまな武器の発砲音、コックピットの警告音、ジェット機の轟音、キャラクター間の会話など、さまざまな音が聞こえます。

ノンダイジェティックサウンドとは?

ダイジェティックサウンドの定義や用途を理解したところで、今度はその反対であるノンダイジェティックサウンドを見てみましょう。ノンダイジェティックサウンドは、映画のストーリー内では聞こえないという点で、ダイジェティックサウンドと対照的です。これらのサウンドは、キャラクターやストーリー内の環境には存在しないため、キャラクターが聞いているわけではありません。

なぜノンダイジェティックサウンドを使うのか?

ノンダイジェティックサウンドは、映画制作者が観客と直接コミュニケーションするために使われます。ムードや雰囲気を強調したり、ストーリー内で重要な転換点で観客にヒントを与えたりすることが多くなります。

映画におけるノンダイジェティックサウンドの例

最も分かりやすいノンダイジェティックサウンドは、映画のスコア、サウンドエフェクトやナレーションでしょう。映画界では、ノンダイジェティックサウンドを使用した映画がたくさんあります。

The Lord of the Rings: The Return of the King 「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」 (2003年)

「王の帰還」の主なノンダイジェティックサウンドは、ホワード・ショアの壮大なスコアで、これこそがこの三部作の優れた点のひとつです。 「烽火の点火」のシーンでは、音楽は最初にピピンが大胆な計画を実行する緊張とサスペンスを完璧に反映し、その後、中つ国の山々を横断するにつれて壮大で高揚する曲調へと移行します。 ノンダイジェティックサウンドによって、このシーンは一層壮大なものとなっています。

The Royal Tenenbaums 「ロイヤル・テネンバウムズ」 (2001年)

ウェス・アンダーソンの『ロイヤル・テネンバウムズ』では、アレック・ボールドウィンのナレーションが、まるで小説を読んでいるかのように構成されています。これはノンダイジェティックサウンドの典型的な例で、この演出なしでは映画やストーリーは同様の効果は得られなかったでしょう。

Kill Bill Vol. 1 「キル・ビル Vol.1」(2003年)

クエンティン・タランティーノは、ノンダイジェティックサウンドを多用することで知られています。「キル・ビル Vol. 1」のシーンでは、ザ・ブライドがヴァニータの家を訪れ、ドアが開く瞬間、フラッシュバックとともに「警告サイレン」が鳴り響き、ドラマチックな音楽が流れます。これはキャラクターたちが聞くことのできないノンダイジェティックサウンドです。

Fight Club「ファイト・クラブ」 (1999年)

ナレーションがノンダイジェティックサウンドである場合は、一つ注意点があります。ナレーションがキャラクターの内部独白である場合、それはノンダイジェティックサウンドではなく、内部独白のダイジェティックサウンドとなります。「ファイト・クラブ」のエドワード・ノートンのナレーションは、この内部独白のダイジェティックサウンドの素晴らしい例です。

ダイジェティックサウンドとノンダイジェティックサウンドの違い

ダイジェティックサウンドとノンダイジェティックサウンドの違いを改めて確認しましょう。

Diegetic sound
(ダイジェティックサウンド)

Non-diegetic sound
(ノンダイジェティックサウンド)

映画のストーリー内の音声

映画のストーリー外の音声

映画のキャラクターはこの音を聞こえる

映画のキャラクターはこの音を聞こえない

エンジン音、都会のシーンで背景にいる人々、雨音、スクリーン外での会話などの効果音

BGM や映画のスコア、ナレーションや効果音

トランス・ダイジェティックサウンドについて

知っておくべき用語がもう一つあります。それは、ダイジェティックサウンドとノンダイジェティックサウンドのハイブリッド版である「トランス・ダイジェティックサウンド」です。これは、あるサウンドが最初は一方として始まり、その後、他方に変化するものです。

トランス・ダイジェティックサウンドの例

トランス・ダイエジェティックサウンドの例は、多くの映画で見つけることができます。一般的な使用方法は、音楽を通じて使用される方法です。

The Lord of the Rings: The Return of the King「ロード・オブ・ザ・リング:王の帰還」(2003年)

「王の帰還」のこのシーンでは、ピピンが画面上で歌い始めます。これは明らかにダイジェティックサウンドです。しかし、その後、シーンはファラミアと彼の絶望的な仲間たちがオスギリアスに向かって馬に乗る様子に移ります。ピピンの歌はこのシーンでも引き続き流れており、明らかに移行しているため、トランス・ダイジェティックサウンドとなります。

Once Upon A Time in Hollywood 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019年)

この「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の名シーンでは、クリフが車を運転して去っていく場面で93 KHJラジオのチューニング音が聞こえます。これはダイジェティックサウンドです。その後、夕暮れ時のロサンゼルスの街を様々なキャラクターが帰宅するシーンで曲が流れ、ノンダイジェティックサウンドとなります。そして、クリフとリックが家に着くと、再び曲がダイジェティックサウンドとなり、ラジオから流れる音として車のエンジンとともに消えていきます。この音は、キャラクター達も聴いている音です。

サウンドによるストーリーテリング

ダイジェティックサウンドとノンダイジェティックサウンド(さらにはトランスダイエジェティックサウンドや内部ダイエジェティックサウンド)の違いを理解したところで、サウンドデザインがストーリーの伝達においていかに重要であるかを十分に理解できるでしょう。音声効果ロイヤリティフリーの音楽をはじめとしたあらゆるサウンドは、素晴らしい映画を作るために不可欠な要素です。

ダイジェティックサウンドは、シーンに現実味を与え、観客を引き込むために使用されます。一方で、ノンダイジェティックサウンドは、観客の気分や感情に影響し、ストーリーの転換点で重要な情報を伝達するために使用されます。両方を組み合わせて使用することで、より完成度の高い映画を作ることができます。

お気に入りの映画でこれらのサウンドの使用法を研究し、あなたの次回のプロジェクトに活かしてみてください!

この記事のライターについて

Josh Edwards is an accomplished filmmaker, industry writing veteran, storyteller based in Indonesia (by way of the UK), and industry writer in the Blade Ronner Media Writing Collective. He's passionate about travel and documents adventures and stories through his films.

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